クレイジーケンバンド小野瀬雅生の丼はかく語りき

五杯目:健気な親子丼

五杯目:健気な親子丼

カツ丼は時折無性に食べたくなるのに、親子丼でそうならないのはどういうわけだろう。
親子丼の存在はどうにも温和(おとな)しい。
その温和しさが私のハートに火を付けない。
でも美味しいとは思う。
親子丼をどうにかして私にアピールする存在に出来ないだろうか。
鶏肉をカツにして親子カツ丼にしてみたらどうだろう。これはありそうでない。イイんじゃないの。
でもこれはもうカツ丼の領域に入っちゃうな。鶏肉を他の食材に置き換える。
カマボコにすると木の葉丼になる。
サザエにすると江ノ島丼。
牛肉だと他人丼。
置き換えると名前も変わるから鶏肉に戻す。
鶏肉も卵も物凄くグレードアップして超高級親子丼ってのはどうか。ありそうだな。
でもハンパに値段も高くなりそうだ。
やっぱり普通の親子丼がイイようです。
夜遅くに閉店間際の食堂に入って、すみません親子丼くらいしか出来ないんですがと云われ、ああいいよと出て来たのを食べてみたら、何だかとっても健気な味がしてシアワセな気持ちになったなんて、そんな存在感が素敵かもね、親子丼。
がんばれ親子丼。

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